みなさん、こんにちは。&D.の尾﨑です。
&D.で推奨する「デザインを重視した経営」。ここでは、ブログの「背景その2」に続き、日本におけるデザインの投資効果や、2018年5月に経済産業省と環境庁が発足した「『デザイン経営』宣言」での条件などについてお話したいと思います。

日本でもデザイン経営が浸透し、
効果を実感し始めている

経済産業省と環境庁が「『デザイン経営』宣言」を公表した半年後の2018年11月、クリエイティブに特化したマッチング型採用サービスの事業を展開する「株式会社ビビビット」より、「『デザイン経営』『デザイン思考』に対する企業の意識調査」が公表されました。この意識調査によると、「デザイン経営」「デザイン思考」を導入している企業は全体で15%未満にとどまる一方、中小企業を中心とした導入企業の70%以上は「売上・利益率の増加」に効果があったと実感している現状が明らかになりました。
下記の図は、意識調査の「中小企業(経営企画、人事系)からの回答」をピックアップしています。

経営の上流にデザイナーを置くことが
企業価値構築の鍵となる

経営の最上流工程での「デザイン」とは、単なる色や形という意味ではなく、「社会の中でどのように必要とされているのか」を見抜く洞察力と言えます。
デザイナーは目の前にある問題を解決する「ある1つの解」を人より先に見つけ出す力が強いと言われています。このような人たちを企業の上流工程に置くことで、経営の「あるべき姿」を見つけ出すことができるのです。それが必ず「企業価値構築」の一端を担うと言われています。

デザインやアートを
経営に生かすことは今が「旬」

テレビや新聞、さまざまな本の中でも「デザイン経営」や「デザイン思考」さらには「ブランディング」などを取り入れることが、企業の唯一無二の価値を作り出す手法であると注目され始めています。
ただ、やはりまだ、「デザイン」と言いますと抽象的なイメージで、受け取られ方はさまざまなようです。そして、興味があっても、どのように取り入れていいのか、その具体的手法について語られることがあまり多くありません。

デザイナーでもあり経営者でもある私には、自らが経営に生かしてきたデザインを広める使命があると感じています。このブログや出版の機会を使って、これからも「デザイン」をみなさまにわかりやすくお伝えする機会を作ろうと思っています。

みなさん、こんにちは。&D.の尾﨑です。
&D.で推奨する「デザインを重視した経営」。ここでは、ブログの「背景その1」に続き、時代背景や、デザインを重視した経営の海外事情、国内事情などについてお話したいと思います。

日本以外の先進国では
デザインに投資し絶大な効果を出している

欧米ではデザインへの投資をしている企業パフォーマンスについての研究が行われています。それらはデザインへの投資を行う企業が、高いパフォーマンスを発揮していることを示しています。
その他の調査を見ても、「デザイン経営」を行う会社は高い競争力を保っていることがわかります。これがデザインを取り巻く世界の常識となっているのです。一方、日本の経営者がデザインに積極的に取り組んでいるとは言い難い状態です。

経済産業省・特許庁がデザイン経営を推奨
特許庁ではデザイン経営を実践

規模の大小を問わず、世界の有力企業が戦略の中心に据えているのがデザインであるにも関わらず、日本では経営者がデザインを有効な経営手段と認識しておらず、グローバル競争環境での弱みとなっています。
そこで、2018年5月に経済産業省・特許庁が「『デザイン経営』宣言」を策定しました。経営チームにデザイン責任者を置き、事業戦略構築の最上流からデザインが関与することを推奨しています。そして企業のブランド力向上やイノベーション創出に役立て、「企業競争力の強化」を図る動きです。デザインに対する補助制度の充実や税制の導入も検討されています。

企業の価値を構築し
顧客にきちんと伝えてこそ選ばれる

「デザイン経営」は企業が大切にしている価値や、それを実現しようとする意志を、人々が目で見て感じさせることができる表現方法です。それは、個々の製品の外見を好感度の高いものにすることはもちろん、企業と顧客とのあらゆる接点や体験に、価値や意志を一貫したメッセージとして伝えられます。
さらに、デザインは、人々が気づかないニーズを掘り起こし、事業にしていく営みでもありますので、イノベーションを実現する力になるとも言われています。

このように、デザインの力を活用した経営は、海外で根付き始めると同時に、日本でも国家プロジェクトのひとつとして推進されているのです。
「デザイン経営」の条件や、「『デザイン経営』宣言」が出されて以降の反響など、次のブログ、「デザイン重視の経営とは 背景その3」でご紹介します。

みなさん、こんにちは。&D.の尾﨑です。
来年の春に、「合同フォレスト株式会社」さまより、デザイン重視の経営手法に関するビジネス書を出版することになりました。いまは絶賛執筆中です。そこに至った経緯を簡単にお伝えいたします。

閉鎖目前。営業力、資金力、
コネクションゼロからの脱却。

私は株式会社Cotton’sという企画・デザイン・イラストレーションなどの制作を行う会社でも社長を務めています。2011年にデザイナーとして入社し、その2年後には取締役に、そしてさらに6年経った2019年10月に、取締役社長に就任し、経営を行ってきました。
デザイナーから役員に指名されたのは、私が務める東京支社を、閉鎖目前の状態から3年でV字回復を叶えたことが要因のひとつでした。(話が長くなりますので、そのエピソードはまた別の機会で…)

経営経験のなかった私がなぜ経営回復ができたのか。その当時はなかなか説明がつきませんでしたが、いまならはっきりと申し上げることができます。それは、いま注目を浴び始めている「デザイン経営」「デザイン思考」「ブランディング」を含め、デザインを作る上で自然と培ってきた思考方法や手法を経営に取り入れていたからだと確信しました。

ご活躍し続ける企業さまの価値を
みなさまと共に創り続けたい

経営に生かすデザインの価値を体感したことから、それを多くの企業さまに伝えていきたい、と強く思うようになりました。先行きが不透明な中、会社が縮小していくことは、経営者さまにとって、毎日気が気ではなく、非常にお辛いことだと思います。いまは良くてもこの先どうなるのだろう、とお悩みの声もよく聞こえてきます。そのご不安はわたしも同じように持っていました。
生き生きとご活躍される一方で、多くのお悩みをお持ちの経営者さまに、企業価値を構築するのに最適な「デザイン」の活用方法について知っていただきたいと、出版企画を作り出版社さまに提案しました。

熱い想いで溢れる
出版社さまとの出会い

出版企画をご覧いただいた出版社さまの中から、数々のビジネス書を手がけていらっしゃる「合同フォレスト株式会社」さまに手を上げていただきました。取締役 総合事業本部長の山中さま、出版制作室室長の山崎さまと出会い、おふたりの本作りに対する熱いポリシーやこだわりに感銘を受け、お話をさせていただくと、わくわくしかありません。そんなおふたりが、わたしの企画を評価して下さった時には、胸が熱くなりました。
来年春に向けて、現在執筆中です。ひとりでも多くの経営者さまのお役に立てるよう、精一杯がんばっていきたいと思っています。

わたしを支えて下さっている合同フォレスト山中さまと山崎さま、そしてライティングで多くのアドバイスを下さるコピーディレクターの伊藤さま、今回の出版企画であらゆる助言をくださった方々や、全面的な協力をしてくれているCotton’sのみんな。そんなたくさんの方々のおかげで出版の夢がまもなく叶いそうです。感謝の気持ちを胸に、これからも努力してまいります。

合同フォレスト株式会社 取締役 総合事業本部長の山中 洋二さま(右)、出版制作室室長の山崎 絵里子さま(左)と打ち合わせ先にて(中央は私)

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